新型コロナウイルスって何?
どうやって感染を防いでいけばよいの?

新型コロナウイルスの Q & A
新型コロナウイルスってどんな病気?
Q
「新型コロナウイルス(SARS-CoV2)」とは、これまでに見つかっている7種類の呼吸器系の病気「コロナウイルス」のうちのひとつで、2019年12月頃より中国、湖北省の武漢市で初めて確認されて以来、今現在、世界中に感染拡大・パンデミックを起こしているウイルスです。
今まで確認されているコロナウイルスのうちの4つはいわゆる一般的な風邪ですが、もう2つは重い呼吸器症状を起こすSARS(サーズコロナウイルス)、MERS(マーズコロナウイルス)です。
新型コロナウイルス感染症に関してはまだ不明な点が多い状況ですが、
今回の7つ目の新型コロナウイルス(SARS-CoV2; サーズコロナウイルス2)は、SARSに遺伝子の情報がよく似ていており、人間の喉や肺などの細胞に入りやすく、また肺などに入り込んでくる割合が高いことから、ウイルスの病毒性も高いと言われています。
かつ季節性インフルエンザよりも広がりやすいといわれており、致死率は2009年に発生した新型インフルエンザの10倍高いとWHOが発表しています。
呼吸器症状が中心で、多くは軽症ですが、高齢者、基礎疾患を有する人の重症化リスクが高いとされています。
また、国立感染症研究所の調査により、新型コロナウイルスは14日ごとに変異を繰り返していると推定されることが発表されました。
1月初旬に中国・武漢市で発生し、日本でも第一波を起こした新型コロナ・武漢ウイルス株はすでに消失へと転じられており、今日本で感染を広めているのは欧州や北米で感染爆発を起こしている欧州株との見方が強くなっています。
欧州株の新型コロナウイルスの毒性は変化を繰り返しているとみられ、最近では今まで分かっていなかったような血栓の問題も可能性としてあげられてきており、欧州・北米では子供には川崎病に似た炎症性症候群、若い人たちの間には心筋梗塞や脳梗塞の症例などが相次いでいます。
今までよりも更に注意が必要になってきている状況といえます。
初期症状は風邪やインフルエンザとの区別が難しいのですが、症状がそれらよりも長くダラダラと1週間程度続くのが特徴で、軽症の場合はそのまま風邪のように治癒しています。
1週間後をめどに、感染確認者のうちの14パーセントほどの人に息切れ、息苦しさが出て重症化していくケースがあり、一部の患者は入院が必要になります。
【新型コロナウイルスの症状】
潜伏期は 1~14 日、多くが 3~7 日(平均値で約5日程度とされています)
最近、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)より、
今まで新型コロナの公式症状とされている『発熱・咳・息切れ』に加え、『筋肉痛・頭痛・のどの痛み・味覚・臭覚の低下』も新型コロナの公式症状として追加されたことが発表されました(2020.4.28)
【発症時によくある症状】
発熱 乾いたから咳、倦怠感、痰
息切れ、のどの痛み(咽頭痛)、頭痛、筋肉痛、下痢
まれに、味覚・臭覚の低下、吐き気や嘔吐、鼻水・鼻づまり、などです。
つま先が凍傷のように赤や紫に変色したり、紫色の網目のような模様が出る事もあることがアメリカの皮膚科から報告されています。
目立った発症兆候がない軽症者に多いとの報告もありますが、最近では新型コロナウイルスが血栓の促進する可能性があるとの見解もあり、
4月28日、英国の保健相より既往症のない子供が川崎病にも似た炎症性症候群で死亡するケースも複数でているとされ、注意が必要です。
また、最近ではアメリカで新型コロナウイルスに感染した30~40代の患者が脳梗塞や心筋梗塞を併発する症例が相次いで発表されています。
アメリカでの症例は50歳未満で糖尿病や高血圧、高脂血症などのリスクが全くないような状況・患者での発症、何の前触れもなく脳梗塞の症状が出て、調べてみると新型コロナウイルスが陽性だったとの事です。
【新型コロナの経過】
上記のような症状が約7日程度持続し、発熱の程度より強い倦怠感(ひどいだるさ)があることが多く報告されています。(自分の足ではないような足の重み、人が乗っかっているような体の重み、等が報告されています。)
傾向としてはインフルエンザや普通の風邪の症状のピークが3~4日程度であることに対し、新型コロナウイルスのピークは約7日程度と症状が長い事も特徴のひとつです。
約8割は自然に治癒しますが、2割程度の患者さんが肺炎を発症しています。
重症者の多くは、発症から 1 週間後 に呼吸困難、同時に、または単独で低酸素血症が出現します。
急速に急性呼吸窮迫症候群や、血液凝固障害、多臓器不全等などの状態に進行する場合があります。
重症・重篤の患者さんの中には、微熱や明らかな発熱がないというケースもみら れるそうです。
多くの感染者の方は予後が良好でありますが、ご高齢者や慢性基礎疾患(心血管疾患、糖尿病、ぜんそく、高血圧、がん等)のある一部の感染者の方は危篤な状態になる可能性が高くなると考えられています。
熱や咳などの症状が、改善なく持続・悪化する場合、普通の生活を送っているだけで息切れを感じる場合は注意が必要ですので、厚生労働省が開設した電話相談窓口や各自治体の接触者相談センターに相談しましょう。(かかりつけの病院などがある場合は電話で相談してみてください)
呼吸困難、しつこい胸の痛みや胸の圧迫感、意識障害や起き上がれない状態、青みを帯びた唇や顔は緊急警告のサインのため、すぐに病院を受診する事が必要です。
各都道府県の新型コロナウイルスに関するお知らせ・電話相談窓口
厚生労働省が開設した電話相談窓口
電話番号 0120-565653(フリーダイヤル)
受付時間 9:00から21:00 (土日・祝日も実施)
厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ & A(一般の方向け)」
現在までのところ、明らかな治療効果を示す薬剤やワクチンはありませんが、アルコール消毒(70%)などで感染力を失うことが知られています。
A
新型コロナウイルスは、どのように感染するの?
Q
A
「飛沫感染」と「接触感染」の2つが考えられます。
NEJM(New England Journal of Medicine)には、今回の新型コロナウイルスの特徴として、感染者の飛沫に大変多くのウイルスが含まれているという報告があり、そこが今回の新型コロナウイルスの感染力の強さにつながっていると考えられています。
インフルエンザより遥かに飛沫内のウイルス数が多いため、くしゃみや咳、おしゃべりにより、またそのウイルス数の多さから容易にその後の接触感染につながるため注意が必要です。
【飛沫感染】
感染者の飛沫(くしゃみ、せき、ツバなど)と一緒にウイルスが放出され、他の人がそのウイルスを口や鼻から吸い込んで感染します。
新型コロナウイルスは目の粘膜などからも感染するといわれています。
※感染に注意を要する場面
屋内などで、お互いの距離が十分に確保できない状況で一定時間を過ごすとき
【接触感染】
感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、自らの手で周りの物に触れると感染者のウイルスが付きます。
未感染者がその部分に接触すると感染者のウイルスが未感染者の手に付着し、感染者に直接接触しなくても感染します。
NIHの研究では、SARS-CoV-2こと新型コロナウイルスは、段ボールに付着した場合は最大24時間、プラスチックやステンレスの表面では2~3日間生存することも明らかになっています。
※感染場所の例
電車やバスのつり革、ドアノブ、エスカレーターの手すり、スイッチなど
特に表面がつるつるしている場所ではコロナウイルスは長く存在する事ができるため注意が必要です。
皆様が日常で触る機会が多いツルツルした物の代表は「携帯電話」です。
つり革を触った手で携帯、手は洗っても携帯を触るとまだそこには菌が付着した状態となりますので、携帯、スマートフォンも随時消毒する事が大切です。
(医療現場でのタブレットを介しての感染の疑いも報告されています。手洗いと合わせて携帯、タブレットも帰宅後に除菌する事が重要です。)

新型コロナ ウイルスは 空気感染はしないの?
現時点では新型コロナウイルスは空気感染はしないと言われています。
ではよく言われている「エアロゾル感染」とは何なのでしょう?
エアロゾルとは、「気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子」の事です。
エアロゾルは飛沫の一種ですが、その飛沫が空気中を漂うため、飛沫感染にも空気感染にも似ているので、空気感染なのでは?と不安を誘います。
米国の研究グループは、新型コロナウイルスについて、実験の結果、噴霧してから3時間が経過してもウイルスの生存が確認されたとしましたが、
厚生労働省は、エアロゾル中でウイルスがある程度の時間生存し続けることと、エアロゾルによって感染することとはイコールではなく、国内でエアロゾルによって感染したことを示す証拠は見つかっていない、との見解を表しています。
ただ、実際にせきやくしゃみが発生していない状態で感染したと疑われる事例があるため、
厚生労働省は、閉鎖空間において近距離で多くの人と会話する等の一定の環境下であれば、咳やくしゃみ等がなくても感染を拡大させるリスクがあると注意喚起をしています。
インフルエンザより遥かに飛沫内のウイルス数が多く注意が必要との注意喚起はありましたが、米科学アカデミーは新型コロナウイルスについて「会話や通常呼吸でも1.8メートルほど飛び散り、これによって感染する可能性がある」という発表もしています。(2020.4.7更新)
厚労省は、クラスターでの感染拡大防止の対策のため、以下で示す「三つの密」を避けるよう訴えています。
■ 「密閉」 換気の悪い密閉空間
■ 「密集」 人が密集
■ 「密接」 近距離での会話や発声